新型ブレイヤの紹介記事の前に、その構築に至った経緯やその間に考えた事をまとめておこうと思います。
ちょっとアプローチは違うけど、いつも参考にさせていただいているともちんさんも似たような記事を上げていらっしゃったので勝手ながら紹介。

「閃光の強さ」  http://wwwwwwwwwwwwwwwww.diarynote.jp/201712161947074004/


今回僕が言及したいのは、タイトルにした通り「重い1枚コンボ」と「軽い2枚コンボ」ではどちらが優れるのか?という問題について。

マナコストが重かろうと、1枚のカードさえ通せば勝ちというのは非常に魅力的です。
例としては、過去に僕のブレイヤにも採用していた《火想者の予見》や《来世の警告》、身内環境だとティシャーナが使ってくる《歯と爪》などですね。《無限への突入》もそう言えるのかな?
これらの共通点はいずれも、
「即死コンボに必要な複数枚のパーツを一気に集める」
というものです。即ち、デッキ内に直接的な勝ち手段が搭載されており、上記のカードはそれらを呼び込む間接的な勝ち手段という事ですね。
これらはいずれも「合計9マナ以上」を確保していないと、(1ターンの内には)成立しないはず。

一方で、僕が「軽い2枚コンボ」と称しているのは以下のようなものです。
 ・閃光+ハルク→固有色にもよりますが、大体がサクリ台と釣り竿を持ってきて墓地と盤面をぐるぐる行き来させる無限コンボ。
 ・生き埋め+リアニメイトスペル→主におにぎりウーズやトリミケ。エンチャントリアニならゴージャーコンボも。
 ・コーの遊牧民+セファリッドの幻術師→1ターン待つ必要はないけど、パーツが2枚必要になったハーミット。大体マニアックで勝つ。
上記コンボはほとんど「合計2~6マナ」で成立します。2枚必要にはなるけどマナコストが軽くなるってイメージですね。


僕が思うに、「重い1枚コンボ」と「軽い2枚コンボ」はどちらも一長一短があり、優劣をつけるのは難しい。
ただこれまでの経験上、「勝利の目標ターン数」によって取捨選択するのが望ましいのではないか…と考えるようになりました。
具体的に言うと、中~長期戦狙いのコントロール寄りなデッキなら前者を、僕が好むような茶系高速コンボデッキの場合は後者を優先するのが得策という事です。
それぞれ理由を列挙していきます。

①茶系高速コンボデッキの場合
 ・アーティファクトでマナ加速する関係上、序盤で手札が枯れる事が多い。
 ・対戦相手が複数いるEDHの特性上、ターンが進むにつれて妨害を受けるリスクが高まる。
 ・コンボ自体を止められるのは勿論、《無のロッド》や《血染めの月》等でマナ基盤自体を拘束される恐れもある。
このような理由から、序盤の少ないマナでも仕掛けていける「軽い2枚コンボ」が優先されるべきだと考えます。

②中~長期戦狙いのコントロール寄りなデッキ
 ・序盤は高速デッキを妨害し、消耗させることに主眼を置くため、タップアウトしてまでマナ加速する必要がない。
 ・マナ基盤として信頼性の高い「土地」を基軸に据えることが多く、その土地は原則1ターンに1枚しかセットできないため、ある程度のターン経過が必要になる。
 ・中~長期戦(具体的には開始5~6ターン目および7ターン目以降)にもつれた場合、1枚1枚のカードパワー(=重さ)がゲームを動かすことが多い。
このような理由から、重かろうとめくり合いを制する「重い1枚コンボ」が優先されるべきだという訳です。


乱雑に書き殴ってしまいましたが、僕はこういった経緯・考え方に基づいて「ハイリスク(=敗北の可能性)・ハイリターン(=高速)」なワールドゴージャーをブレイヤに採用したのでした。
みなさんの様々なご意見を聞きたいので、是非コメントお願いします。
前回の更新から10日近くあきました。
ようやく個人的構築論の最終章  ~ジェネラル&マナ加速について~ です。

第3回と補足1~2の記事では土地を含めたマナ基盤全体について言及しましたが、今回は「ジェネラル&マナ加速」に特化して話を進めます。
ここまで話が進んできて、最後の最後がジェネラルとマナ加速かよ!?
というご指摘もあるだろうと思いますが、そのくらい僕はEDHにおいてジェネラルとマナ加速を重要視しているということです。

第3回の記事を要約すると、
 「何ターン目を目安として、自分のやりたいこと/勝ち筋を仕掛けるのか? それによってマナ基盤の枚数も決まってくる」
ということでした。
そして、やりたいこと/勝ち筋については第7回の記事におおまかな選択基準を示しています。
(話の順番が前後していて、読みにくい事この上なかったと思います。すみません…。)

とりわけEDHにおいて僕が常々意識していることが一つだけあり、それは、
 「マナを確保するだけで動けるデッキは強い、勝ちたいならそれが出来るジェネラルを選ぶべき」
ということです。
当たり前のことですが、ジェネラルだけはいかなる初手であってもマナさえあればキャストすることが保証されており、それを勝ち筋に据えない手はありません。
単にカラーマーカーのみとしてジェネラルを選択することもない訳ではありませんが、そういったデッキは構築段階からアド損していると言わざるを得ないでしょう。
極論ですが、初手が「土地3枚+軽めのマナ加速4枚」であっても、ジェネラルキャストから先の展開を期待できるようなら十分キープに値するとまで考えています。(無論、デッキ内に直接的な勝ち手段が入っていることが前提)

過去の記事で挙げてきたジェネラル達は、上記条件をまさにクリアしています。

・《結界師ズアー/Zur the Enchanter》 → ジェネラルキャスト後、アタック誘発のエンチャントサーチ能力から大量ドローor無限コンボorロックを状況次第で選択
・《トリトンの英雄、トラシオス/Thrasios, Triton Hero》 → 余剰マナを占術1からのドローによって有効牌に変換
・《エーテリウム造物師、ブレイヤ/Breya, Etherium Shaper》 → 余剰マナ&不要なアーティファクトを使って、除去or火力or回復を選択
・《時間の大魔道士、テフェリー/Teferi, Temporal Archmage》 → 忠誠度-1能力でジェネラルキャストに使ったマナ分くらいは返ってくるし、+1能力で有効牌を手札に加えつつ、クリーチャーがいればジェネラルの護衛に回して次ターン以降に繋ぐことが可能
・《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》 → 1回目のキャストでコボルドトークン6体+パンプアップ能力で戦線維持、稼いだ時間でコンボパーツを揃えにいく

などなど、強ジェネラルの挙動は挙げればキリがありません。
以上より、自分が選んだジェネラル&それを活かした戦術を高確率で遂行するために、マナ基盤を決定することが最重要という話です。
(前置きが非常に長くなってしまった…。)

土地に関しては通常1ターンに1枚しかプレイできないので考えることが少なく、第3回と補足1~2の記事を参照していただければほとんど解決すると思います。

残るはマナ加速。
話があちこちに飛ぶとややこしくなるので、第3回と同じく《結界師ズアー/Zur the Enchanter》を例にしていきます。
勝ち筋と土地枚数は以下のような感じ。

・勝ち筋→3ターン目にズアーをキャスト、4ターン目のアタックで《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》を持ってきて、《むかつき/Ad Nauseam》で全ドローしてから好き放題
・土地→3ターン目までは連続でセットしたいので30枚

そうするとマナ加速は、以下の2点について計算することになります。

3ターン目にズアーをキャストするために、2ターン目までにマナ加速1枚を用意する必要があるので、
 1枚/(初手7枚+ドロー2枚)×デッキ99枚=11枚・・・(条件A)

4ターン目に《むかつき/Ad Nauseam》を打つため、土地3枚に加えて基本的にはマナ加速が2枚必要になるので、
 2枚/(初手7枚+ドロー4枚)×デッキ99枚=18枚・・・(条件B)

従って、(条件A)<(条件B)となるため、デッキ内のマナ加速の総数は18枚以上となります。
しかし、(条件A)の中に含まれるポイントとして、2ターン目までにマナ加速1枚をプレイするというのが残っています。
高確率で2ターン目にプレイするには、コスト2マナ以内のマナ加速でないといけません。

総じて、このデッキに必要なマナ加速をまとめると、
 「マナ加速の総数は18枚以上、そのうちコスト2マナ以内が11枚以上」
となります。



本論9回+補足2回の全11回に渡って、僕が考えるEDHのデッキ構築理論を紹介してきました。
ここまでお付き合いいただき有難う御座います。
駄文・長文になってしまいましたが、皆様のデッキ構築の一助にでもなれば幸いと考える所存です。
次回からしばらくはテーマフリーで記事を書いていくので、今後とも宜しくお願い申し上げます。

筆がのったので、中1日で更新していきます。
今回はユーティリティー枠について。

正直なところ、ユーティリティー枠といっても人によってかなり認識が異なっているだろうと思います。
例えば、ライブラリー操作にもドローにも使える《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》をユーティリティーカードと位置付ける人もいるでしょうし、そうでないと言う人もいると思います。

なので、今回の記事で僕が言うユーティリティー枠とは、
 「場面によって用途を変えることができるカード」
と一時的に定義しておくことにします。

例を挙げると、

・特定のパーマネントをコピーするカード
 《幻影の像/Phantasmal Image》、《Copy Artifact》、《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》、《賢いなりすまし/Clever Impersonator》など
・スタック上の呪文をコピーするカード
 《Fork》、《双つ術/Twincast》、《二重詠唱の魔道士/Dualcaster Mage》など
・墓地のカードを再利用できるカード
 《新たな芽吹き/Regrowth》、《永遠の証人/Eternal Witness》、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》など
・他人のデッキから強奪プレイできるカード
 《法務官の掌握/Praetor’s Grasp》、《袖の下/Bribery》、《知識の搾取/Knowledge Exploitation》など

ですね。
これらはパッと見では非常に便利そうですが、実は盤面や状況が動いていない時にはけっこう残念なカードになってしまいます。
裏を返せば、状況次第では一気に勝ちをもぎとる切り札級の活躍をするカード達です。

総合的に考えるなら、
 「デッキに数枚あると便利だけど、腐る場面もあるカード」
と考えるのが妥当でしょう。
必要以上に過信せず、状況に応じてサーチする程度だと僕は認識しています。


投入枚数についてですが、そもそもデッキに入ってないとサーチのしようがないので最低1枚。
(白単だと0枚になる可能性もありますが…。)

逆に入れすぎると上記の通り死札になってしまう場面もあるので、最大枚数はそれらをサーチできるカード込みで10枚以内でしょうか。


ここまでの8回の記事で、各カードの機能別に多い場合と少ない場合で投入枚数を考察してきましたが、両方を平均するとちょうど90枚程度になってきました。
次回で個人的構築論の締めくくりになります。
読んでくれているみなさん、もう少しの間お付き合い願います。

リアルが忙しすぎて、更新が10日も途絶えてしまいました。
(とか言いながら、先週金土日は3日連続でEDHしてたのはナイショww)

前々回の記事までで、マナ基盤→妨害→サーチ→アドバンテージ源 と話が進みました。
個人的構築論も佳境に入って、残すところは本記事を含めて3回の予定です。
今回は勝ち筋についての考察。


既にご存じの方ばかりだと思いますが、EDHで勝利するためには敵2~3人を倒さなくてはならないため、勝ち筋として即死コンボを選択することが多いかと思います。
(コンバットに全身全霊を懸けているみなさんすみません!)

しかし、即死コンボに使われるカードはコンボ始動時以外には死札となってしまう場面が多いのも事実で、その投入枚数は非常に重要な要素だと考えています。
もっと言うなら、勝ちに繋がるカードの合計枚数だけでなく勝ち筋のルートについても多すぎるとデッキの動き自体が鈍ってしまうため、よく吟味して選択する必要があります。

僕のこれまでの経験上、勝ち筋は少なくとも2パターン、どんなに多くても5パターンといったところではないでしょうか。(1パターンのみだと、妨害を受けた後に全くリカバリーできなくなってしまうため)
以下に勝ち筋の選択基準をまとめます。


①使いたいカード/コンボ
まず最優先したいのはこれ。
EDHというフォーマットは、自分のやりたいことを存分に披露するための場だと僕個人は思っているので最重要視。やはりそのデッキを長く使い続けるには愛着を持つことがキッカケになるでしょうし、自分の好きなカード/コンボをまず選ぶのは必然のことだと思います。

自分の場合は、《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》がそれにあたります。(後日記事を書きたいなー)


②ジェネラル絡みで必要枚数の少ないコンボパーツ
EDHではマナさえあればいつでもプレイできるジェネラルがいるので、ジェネラルを絡めたコンボは比較的狙いやすくなります。
また、いくらジェネラル絡みであっても、他に3枚以上のコンボパーツを揃えなくてはいけないものは集めるのも大変ですし、苦労してプレイできたとしても敵の妨害をかいくぐるだけのリソース(マナ、妨害に対する妨害など)を確保できないまま不発に終わることも…。
ジェネラル+1~2枚で成立するコンボは優先して投入すべきと考えます。

例としては、
・《時間の大魔道士、テフェリー/Teferi, Temporal Archmage》における《鎖のヴェール/The Chain Veil》
・《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》における《食物連鎖/Food Chain》
・《艦長シッセイ/Captain Sisay》、《アーカム・ダグソン/Arcum Dagsson》における《パラドックス装置/Paradox Engine》 など


③ジェネラル以外のカードで成立する、必要枚数の少ないコンボパーツ
ジェネラルには関係ないけれど、必要枚数が少ないならとっととブッパして雑に勝ちを拾えることもままあります。身も蓋も無い話ですが、こういった戦術が強いのもまた事実。

例としては、
・黒いデッキにおける《生き埋め/Buried Alive》系+リアニメイトカード → おにぎりシュート、ワールドゴージャー、人間リアニなど
・赤いデッキにおける《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》+《侵入警報/Intruder Alarm》or《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》など → 無限トークン
・BUGカラーにおける《隠遁ドルイド/Hermit Druid》 → デッキ全部墓地に叩き込んで、好き放題 など


④コンボ時以外でも役に立つコンボパーツ
コンボ前に引き込んでも死札にならないコンボパーツであれば、ナチュラルにデッキに組み込むことができます。

例としては、
・青の濃いデッキにおける《未来予知/Future Sight》系+《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》+コスト軽減カード など(他にもあったはずなのにパッと思い出せなかった…。)


⑤メインの勝ち筋とは軸をずらしたコンボパーツ
必須ではないですが、対策されやすいクリーチャー/アーティファクト/墓地を利用したコンボのみに頼っていると、突如出てきたメタカードで投了…なんてことも起こり得ます。
デッキが完全に機能不全に陥ることのないように、枠取りに余裕があればメインコンボとは軸をずらしたコンボを1種類くらい入れても良いと思います。



以上よりコンボパーツに割く枚数を検討すると、少なめの場合でも2パターンのコンボは搭載するでしょうから「2~4枚」にはなると思います。
逆に多めの場合を考えると、「3枚コンボを3種類」あるいは「2枚コンボを5種類」が限度なので、「10枚以内」に抑えるべきだと考えています。


ここまで7回の記事渡って、99枚デッキのうち6~9割強まで言及してきました。
次回は⑧ユーティリティー枠について。
個人的構築論も後半に入り、今回はアドバンテージ源の話。

僕がアドバンテージ源と呼んでいるのは、
主にドローソースと追加ターンスペルの2つ。

これらとは別に、1ターンでも維持することができれば劇的なアドバンテージに繋がる
《適者生存/Survival of the Fittest》や《出産の殻/Birthing Pod》のような起動型置物の類、
マナコスト踏み倒しの代表格《全知/Omniscience》、
カードの消費なく墓地回収できる《永遠の証人/Eternal Witness》なども
アドバンテージ源と言えますね。
(厳密にいうとサバイバルと殻、全知は直接アドバンテージを稼いでいる訳ではありませんが、最終的に爆アド→勝利となっている場合が多い)


しかし、冒頭に書いたドローソースと追加ターンの2つが最も効率的にアドバンテージを稼いでいると思っています。
個人的には、
 「EDHにおける最強色は青」
と言われる背景は、このアドバンテージ源に最も優れた色であるからこそだと考えています。

確かにカードタイプを問わず盤面に触ることのできるバウンス、キャスト自体を止められるカウンターといった対応力の面でも青は優位でしょう。
しかし、それらは基本的に自分と対戦相手1人がアドバンテージやテンポを失っているいるだけで、他のプレイヤーには影響しないのです。

ことさらEDHでは対戦相手が複数いる関係上、毎ターン敵側にアドバンテージが積み上がっていくことになります。
自分が各ターンに1枚ドローするのに対し、当然敵プレイヤー全員も同様にドローするわけで
3人卓なら毎ターン敵側に「+1」、4人卓なら「+2」となっていきます。
従って、あくまで理屈の面で考えるなら、
 「ターンが進行するにつれて勝利するのが難しくなっていく」
という事が言えそうです。
(こういった事情から、前のめりなデッキ・即死コンボデッキが多くなるのだと推察される)

そこで、そんなターン進行によるディスアドバンテージを一気に解消できるカードこそがドローソースと追加ターンという訳です。
ドローソースは枚数の面で、追加ターンは敵のターンを止めているテンポの面でアド得になります。

ようやく前置きが終わり、採用するカード・投入枚数の話に進みます。


【ドローソース】
頻繁に見かけて、僕が強力だと感じているドローソースを以下に列挙していきます。

・手札リセット系
青→《Timetwister》、《意外な授かり物/Windfall》、《時のらせん/Time Spiral》
他→《Wheel of Fortune》、《魂の再鍛/Reforge the Soul》、《記憶の壺/Memory Jar》

・置物系
青→《Mystic Remora》、《リスティックの研究/Rhystic Study》、《未来予知/Future Sight》系
他→《森の知恵/Sylvan Library》、《ネクロポーテンス/Necropotence》、《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》系

・その他
《むかつき/Ad Nauseam》

見てもらえばわかるように、青を除くと一気に枚数が半分程度になります。
従って、青が入らないデッキでは必然的にアドバンテージ補充のために
《夜の囁き/Night’s Whisper》、《調和/Harmonize》のような単発ドローを採用することになります。
逆に青の濃いデッキでは、《渦まく知識/Brainstorm》のような軽量かつ優秀なカードであっても、採用するまでもないケースが多くなります。
(全く話に出てこない白って一体…。)


【追加ターン】
言うまでもなく、ほぼほぼ青のみの特権です。
赤にも《最後の賭け/Final Fortune》系が計3枚ありますが、よほど狙った構築でない限り採用は難しいでしょう。

あえてカード名を挙げる必要はないと思うので、必要な方はwikiをご参照下さい。




ここまできて何が言いたかったか…。
お察しの方が多いと思いますが、結局「青絡みか否か」によって
アドバンテージ源の投入枚数が全く別物になるということです。
また青絡みであっても、追加ターンを採用しないデッキもありますから
一概に枚数を決めるのは難しいですが、目安は以下のような感じでしょうか。

・青以外 → 5枚~10枚程度
・青絡みで追加ターンなし → 7~10枚程度
・青絡みで追加ターンあり → 12~18枚程度



今回は全く計算とかない記事になってしまった(;´Д`)
マナ基盤、妨害に続いて今回はサーチの話。
とは言っても、EDHにおけるサーチカードの役割は非常に多岐に渡っており、
一口に語るのがなかなか難しい面もあります。

サーチ先として、アグレッシブなものだとコンボ/キルパーツ、アドバンテージ源(ドロースペル、追加ターンなど)、マナ加速。
状況に応じてサーチすべき打ち消し、除去、妨害置物・生物などなど。

また、使う色によっては候補に挙げることのできるサーチカード自体がほとんどないものもあります。
EDHにおける弱色と呼ばれる白と赤が特に顕著で、
白単、赤単、白赤2色では苦行そのもの。
(身内にこれらを使うメンバーがいるので、大きい声では言えない…。)

今回の記事では、サーチカードの選択肢が多い黒、緑、青絡みのデッキを想定することにします。


① 10枚
前のめりなデッキで、4ターン目にアクションを仕掛けるために
3ターン目までにサーチカードを1枚引き込みたい場合に検討する枚数。
 ※1枚/(初手7枚+ドロー3枚)×99枚=9.9枚
黒、緑、青のうち2色以上入るなら、採用候補に挙がるものだけで10枚は簡単に超えると思います。

② 7~8枚
コントロール寄りなデッキで、6~7ターン目にアクションを仕掛けるために
5~6ターン目までにサーチカードを1枚引き込みたい場合に検討する枚数。
 ※1枚/(初手7枚+ドロー5枚)×99枚=8.3枚
 ※1枚/(初手7枚+ドロー6枚)×99枚=7.6枚
単色デッキの場合でも、最低限このくらいはサーチカードがないと辛そう。

③ 15枚
6ターン目までに自分のアクションに繋がるカード、あるいは妨害札合わせて
2枚サーチしたい場合に検討する最大の枚数。
 ※2枚/(初手7枚+ドロー6枚)×99枚=15.2枚
なぜ最大で15枚かというと、6ターン目まで進行するなら欲しいカードを素引きすることも十分考えられるためです。
また、サーチカードが多すぎて手札に抱えると、マナが伸びていない序盤では
死札同然になってしまう点を懸念した部分もあります。



黒、緑、青絡みのデッキでは、やっていることはサーチなんだけど
通れば即勝利みたいなカードもあります。
《歯と爪/Tooth and Nail》、《来世の警告/Behold the Beyond》、《火想者の予見/Firemind’s Foresight》などですね。

これらをサーチカードに含めるのか、それともコンボ/キルパーツに分類するのか
といった議論もありますが、まぁそんなカードは数枚程度しかないので誤差範囲でしょう。

サーチカードの量・質は勝敗に大きく影響するので、
理屈だけでなく実践を含めてしっかり選択することが重要ですね。

EDHにおける妨害は主に、
打ち消し、除去、妨害置物(生物の場合=ヘイトベアー)の
3種類ではないかと思います。

デッキタイプや勝利の目標ターン数にもよりますが、
今回は各種妨害札の合計枚数に関する考察。

基本的な考え方としては、デッキ構築論①~③と補足1~2の記事と同じで、
4~6ターン目の敵のアクションを止めることと、自分のアクションを通すことに
重きを置いています。


① 10枚
自分の3ターン目のドロー込みで、妨害札を1枚握りたいときに
検討する枚数。
 ※1枚/(初手7枚+ドロー3枚)×99枚=9.9枚
僕自身としては、自分がよほどアグレッシブに仕掛けていくデッキで、
妨害札を入れる枠がとれない場合にのみ選択するラインです。


② 12~13枚
1ターン目のドロー込みで、妨害札を1枚握りたいときに
検討する枚数。
 ※1枚/(初手7枚+ドロー1枚)×99枚=12.4枚
やっぱり1ターン目に1枚妨害札を持っていると安心できますよね!
精神衛生上の面でも、デッキ内の枠取りの面でも
かなりお気に入りの枚数。


③15~16枚
6ターン目までに2枚目の妨害札を引き込みたいときに
検討する枚数。
 ※2枚/(初手7枚+ドロー6枚)×99枚=15.2枚
前回の補足記事その2で書いた「コントロール寄りなデッキ」の場合は
このくらい妨害を入れておきたいです。
自分のアクションが6~7ターン目になるわけですから、
序盤に仕掛けてくる相手をなんとしても妨害する必要があるので。



当然使用しているデッキのカラーや勝ち筋によって、
多少枚数の変動はあるかと思います。
また自分のデッキに必要以上の妨害が入っていると、
自分の勝ちには貢献しないのに、都合の良いプレイヤーとして利用されかねません。

さらには、投入すべき妨害の種類についても
普段自分が身を置く環境に合わせないと効果的でないでしょう。

僕の身内環境では面子にもよりますが、個人的には、
  除去>打ち消し>妨害置物・生物
という優先順位でデッキを組んでいます。
(自分のワンショットキルを通したいのがバレバレ)



まとめとしては妨害についても、
 「どんな環境・場面で、何ターン目を目安に、何枚の妨害が欲しいのか」
という明確な意図を持っていないと、
自らの勝利を手繰り寄せるような構築になり得ないということです。

前回の記事では、
「初手から3ターン連続で土地をセットするために、土地30枚」
という話をしましたが、当然それ以外のケースも多数あるので
さらに補足記事を書きます。


【前のめりなデッキ】
序盤からガンガン仕掛けにいって、早ければ3ターン目、
安定して4~5ターン目に勝負を決めにいくようなデッキを
ここでは「前のめりなデッキ」と呼ぶことにします。
(自分も前のめりなデッキを使うことが多い)

前のめりなデッキの場合、僕は以下のような土地枚数を考えています。

① 30枚
前回までの記事で説明しているので割愛。

② 28~29枚
ドロー前の初手で土地2枚を引きたい場合に検討する枚数。
 ※2枚/初手7枚×デッキ99枚=28.3
土地2枚を初手のキープ基準にすることも多いので、
割と納得していただける枚数だと思います。

③ 27枚
4ターン目までに土地3枚をセットできれば問題ないデッキの場合に検討する枚数。
 ※3枚/(初手7枚+ドロー4枚)×99枚=27枚
コスト1マナのマナクリーチャーで加速していける緑の濃いデッキ、
あるいは軽量ジェネラル・デッキ全体が軽量カードで構成されているデッキなら
この枚数まで土地を切り詰めることができると考えています。

26枚以下は流石に怖くて、僕は考えたことがありません(汗)



【コントロール寄りなデッキ】
前のめりなデッキの序盤の猛攻を捌きつつ、
1~2人が息切れしたタイミングを狙って勝ちにいくようなデッキを
「コントロール寄りなデッキ」と呼ぶことにします。

このタイプのデッキは、早くて5ターン目、安定して6~7ターン目の勝利を
狙っていくことが多いのではないでしょうか。
コントロール寄りなデッキの場合に、僕が考える土地枚数は、

① 36枚
4ターン目まで連続で土地を置きたい場合に採用を検討する枚数。
 ※4枚/(初手7枚+ドロー4枚)×99枚=36枚
妨害札として打ち消し・除去を多めにとっていて、
ドローが得意でないデッキの場合は
このくらいの枚数が安定しそうです。

② 33~35枚
5ターン目までに土地4枚、また7ターン目までに土地5枚を
セットしたい場合に検討する枚数。
 ※4枚/(初手7枚+ドロー5枚)×99枚=33枚
 ※5枚/(初手7枚+ドロー7枚)×99枚=35.4枚
ランパンスペルで土地がおけないターンの不足を補える場合などでは
このくらいの枚数を選択します。



その他、デッキ内の空きスペースによっては土地を増減させるのが
最も簡単な方法なので、上記±2枚は誤差範囲かなぁ…なんてみています。
(そうすると土地枚数が25~38枚までOKみたいに聞こえるので、長文書いた意味がないように思えてきた)


以上で2回に渡る補足を終わります。
次回はデッキ構築論④ 妨害の枚数について。

デッキ構築論の記事を書いている途中ですが、
4本目に進む前に整理しておいたほうが良さそうなことに気づいたので
今回は脱線してそちらのお話。

前回、前々回の記事で当たり前のように、
 「初手から3ターン連続で土地を置く → 土地30枚」
と書いてしまいましたが、正直ピンとこない人もいただろうと思います。
しかし、僕がこの基準・枚数に行きついたのにはちゃんと理由があるのです。


先人の皆様のブログ・対戦記などの情報、および自分の体験からですが、
 「EDHは概ね開始から4~6ターンでゲームが決する」
ことが非常に多いと感じています。身に覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで考えてみると、よく見聞きする即死コンボは「合計4~6マナ」域に多いのです。


・《Power Artifact》+《厳かなモノリス/Grim Monolith》or《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
・《等時の王笏/Isochron Scepter》+《劇的な逆転/Dramatic Reversal》
 →無限マナから《トリトンの英雄、トラシオス/Thrasios, Triton Hero》で全ドロー、《ゴブリンの大砲/Goblin Cannon》で無限ダメージなど

・《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》+《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
 →無限マナから《トリトンの英雄、トラシオス/Thrasios, Triton Hero》で全ドロー、《エーテリウム造物師、ブレイヤ/Breya, Etherium Shaper》で無限ダメージなど

・《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》+《Demonic Consultation》or《汚れた契約/Tainted Pact》+軽量ドロースペル
 →セルフLOで勝利

・《生き埋め/Buried Alive》+《再活性/Reanimate》などのリアニメイトスペル
 →ウーズコンボ、エンチャントリアニの場合はゴージャーコンボも

・《むかつき/Ad Nauseam》
 →構築次第では単体でも勝てるし、《天使の嗜み/Angel’s Grace》or《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》と組合せれば全ドロー


などなど、名だたるコンボは「4~6マナ域」にひしめいているのです。
(自分が青黒系のデッキばかり使っているので、例に挙げたものも多少偏りがあるように思いますが、あながち間違ってはいないでしょう)

その「4~6マナ域」に到達して、いよいよコンボ始動となるのが「4~6ターン目」なのです。
例えば、ゲーム展開としては以下のような感じでしょうか。

(例1) 1~2ターン目:土地セット&マナ加速 → 3ターン目:土地セット&コンボパーツをサーチ → 4ターン目:コンボォ!
(例2) 1~3ターン目:土地セット&マナ加速 → 4~5ターン目:他人の妨害をしつつ、コンボパーツをサーチ → 5~6ターン目:コンボォ!


ここまで来て本題に戻ります。
何故「初手から3ターン連続で土地を置くために、土地30枚」なのか?

話としては、自分が「コンボを仕掛ける側」ではなく、「受け側」の場合を想定しているということです。
ターン進行の手番で自分が3~4番手だと、自分の3ターン目開始時には1~2番手のプレイヤーが
次ターンのコンボに向けて準備完了となっている可能性が十分考えられます。

そんな3ターン目に、他人の妨害することも考えず自分も同じように4ターン目のコンボに向けて
マナ加速やサーチで手を進めてタップアウトしていると…。
まぁ負けが込むことと思います。

そこで、マナをかけずに自らのマナを伸ばしつつ、かつ自衛のためにアンタップ状態のマナ源を残す行動こそが、
そう。「土地セット」なのです。

「初手から3ターン連続で土地をセットする」というのは、僕の中では鉄板のルールみたいなものです。
しかし、この考えが120%正しいと思っている訳ではありませんし、
仲間を増やそうと布教しているつもりもありません。

そこで次回は、土地の枚数についての補足記事を書こうと思います。
長文失礼しました。

EDHのデッキを組む時に特に難しくて敷居が高いと感じさせてしまうのが
マナ基盤の枚数ではないか、と思います。
mtgでは手札がいくらあろうと、マナがなければ死札同然となりますからね…。

という事で、EDHデッキのマナ基盤の枚数について段階分けして考察します。



【第一段階】 勝ち筋をイメージする

みんなでワイワイ盛り上がるのももちろん楽しいですが、
やはり対戦型ゲームである以上、自分も勝てなければ面白みが減りますよね。

なので、マナ基盤の枚数を決めるとっかかりとして、僕は自らの勝ち筋をスタート地点に置くようにしています。
瞬殺コンボデッキであっても、全力でコンバットするデッキであっても、卓を支配するロックデッキであっても、
最終的には自分の土俵に対戦相手を引きずりこむ必要があるわけですから。

ここでは、強ジェネラルの一角であり、かつ自分も過去に組んだことのある
《結界師ズアー/Zur the Enchanter》デッキを例に挙げて話を進めます。

ズアーで勝利を目指す場合、基本的にはアタック誘発のエンチャントサーチ能力を使うことになると思います。
サーチ先として特に、

 ・《Power Artifact》 → 《ゴブリンの大砲/Goblin Cannon》などで無限ダメージ
 ・《ネクロポーテンス/Necropotence》 → 大量ドロー
 ・《苦花/Bitterblossom》+《汚染/Contamination》 → 対戦相手のマナ基盤をロック

などは勝利に直結するため、他人のレシピなどでもよく見かけます。
ということは、「早いターンからズアーで殴る」ことが間接的な勝ち筋になっている訳です。
(知っている人にとっては言うまでもないことですね…。)



【第二段階】 イメージした勝ち筋を実現する枚数を計算する

ズアーで理想的なのは、「2ターン目にズアー着地、3ターン目からアタック」という流れですが
EDHがハイランダールールである以上、そんな理想の展開を前提にするわけにはいきません。
最も現実的なのは、「3ターン目にズアー着地、4ターン目からアタック」というところでしょう。

3ターン目にズアーをキャストするためには、色拘束を無視しても4マナ分のマナ源を確保する必要があります。
(カード1枚につき、生み出せるマナが基本1つのmtgでは4枚のカードが必要)
3ターン目まで連続で土地を置くと考えても、もう1枚はマナ加速をプレイしておかなくてはなりません。
かつ、3ターン目にはズアーを出したいので加速するなら2ターン目以内になります。

前回記事の計算式より、2ターン目に加速1枚を用意するには、
  1枚/(初手7枚+2ターン分のドロー2枚)×デッキ99枚=11枚

さらに、この11枚はコスト2マナ以内でないと2ターン目までにプレイするのが困難です。

よって、前回記事にて3ターン連続で土地を置く目安を30枚としていたので、
 ・土地 30枚
 ・マナ加速(2マナ以内) 11枚
が基準ラインになると思います。

実際には、さらにマナ加速を多く入れるでしょうが
考え方のベースとしては以上のような感じです。



結局話をまとめると、
 「何ターン目に何をしたいのか?」
 「それが決まれば自ずとマナ基盤の枚数も決まってくる」
ということです。

デッキ内のカードの投入枚数・比率については
偉大なる先人の皆様や某大手カードショップの記事などでも
数多取り上げられているため、以下の内容はEDH玄人の方にとって
釈迦に説法になりかねない…。

とりあえず、自分の考えを記録しておくという位置づけで
書いていく方針です。

計算式なんてタイトルつけましたが、確率計算に用いられる
組み合わせ:C や 順列:P を語るつもりは一切ありません。
考え方はいたってシンプルで、比です。

自分の考え方は以下のような感じ。


(デッキ投入枚数)≧(手札に欲しい枚数)/(それまでに引く合計枚数)×(デッキ枚数)

例えば、EDHで3ターン目まで連続で土地を置きたいと想定すると、

 ・欲しい枚数(土地)は3枚
 ・それまでに引いた枚数は、初手7枚+3ターン分のドロー3枚=10枚
 ・デッキ枚数は通常99枚(共闘ジェネラルなら98枚)

これらを当てはめて計算すると、デッキ投入枚数≧29.7となるので
土地30枚ということになります。

次回以降の記事では、この考え方をベースにして話を進めていきます。
多人数戦で速度・ダイナミックさが求められるedhでは、
しっかりと役割を持たせたカードを選択する必要があると考えています。

役割とは例えば、
・マナ基盤(土地、マナ加速スペルなど)
・アドバンテージ源(ドロースペル、追加ターンなど)
・サーチ
・妨害(打ち消し、除去、ロックなど)
・自分の勝ちに直接貢献するもの(主にコンボパーツ、キルパーツ)


とは言っても、これら全ての要素を常に手札・盤面に
用意しておくことは不可能ですよね。

ならば、デッキ内に投入するカードの枚数・比率について
ある程度の目安を作ることができれば、
EDHデッキ構築の一助になるのでは…
と考えを至らせた次第です。

次の記事から、より具体的な話を進めようと思います。

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